良い問題文の条件



元ネタを食材に例えるならば、設問は調理に当たります。
どんなにいい材料を使っても、調理に失敗すれば美味しい料理は作れません。
元ネタの良さを最大限に生かせる問題文を作りましょう。
良い問題文の条件は良い元ネタの定義以上に、人によって大きく違うと思いますが
ここでは私が考える条件を挙げておきます。

@不思議さがある
A別解が思いつかない
B嘘が含まれない
C簡潔
D写実的
E問題文だけでは答えが出せない

色々と注文が多いですが、1つずつ説明していきましょう。

@不思議さがある
「不思議さ」が無いということは「問題文が当たり前」ということです。
そのような問題文では回答に参加する楽しみが激減してしまいます。
前章でも述べましたが「どうしたらそんなことが起きるのだ?」という
状況を作りましょう。

(悪い例)
その男は携帯電話を握りしめた状態で死体となって発見された。なぜか。

携帯電話を握ったまま死ぬ状況は不思議とは言えません。
持病の発作が出た、あるいは通り魔に刺され、電話で助けを呼ぼうとしたが
力尽きてしまった……という、誰もが思いつくであろう正解で充分成立してしまうからです。

A別解が思いつかない
条件を満たす正解が瞬時にいくらでも思いつくような問題文では
良問になり得ません。こういう状況でも成り立つし、ああいう状況でも成立する。
それから、別の状況でも成り立つ……のような問題ではなく、
この問題にはこの正解しかない!と言える問題文を作りましょう。
そのためにはヒントを盛り込むことで状況を限定することが重要です。

(悪い例)
私は鏡を見て悲鳴をあげた。 何を見たのか。

これはもう、鏡に映るはずの無い物であれば何でも成立してしまいます。
血まみれの男、宙に浮く生首、青白い手……別解はそれこそ無数に存在するでしょう。

B嘘が含まれない
問題文で嘘をつくのは反則行為です。問題文には真実だけを書くように心がけましょう。
ただし登場人物のセリフの中に嘘が含まれているのは構いません。 

C簡潔
10行や20行にも及ぶ問題文では重要なポイントがどこなのか分からず、
回答するのが大変です。回答する上で必要無い、重要でない部分はそぎ落とし、
できるだけ短く(個人的には2〜3行程度が理想)することをお勧めします。
ただし長い問題文を好む方もいらっしゃるかもしれませんので
この辺りは皆さんの判断にお任せします。

D写実的
読んでその場面が映像として脳裏に浮かんでくる問題文とそうでない問題文。
皆さんはどちらに魅力を感じますか?人にもよるでしょうが、
前者の方が謎めいた雰囲気を出せるのではないでしょうか。
その場に居合わせた第三者が見聞きしたことを客観的に語っているかのような
写実的な問題文。これが私が思う良問の条件の1つです。
ただしこれも人の好みによりますので無理に写実的にすることは無いでしょう。

E問題文だけでは答えが出せない
ウミガメとそれ以外のクイズの違いは「質疑応答」にあるのではないでしょうか。
回答者からの質問にイエスかノーで答える。その答えを手がかりにまた質問する……
ウミガメはこのようにして進行するゲームです。もし1回目の質問で正解が出せてしまうのなら
それは単なる早押しクイズと変わりません。問題文にはヒントが不可欠ですが、
多すぎるとウミガメらしさが欠けてしまいます。多すぎず、少なすぎずを心がけてください。

(悪い例)
それはふくらんでいるものもあれば、へこんでいるものもある。
それは時に2つで1つとして使われる。
それは筒の中に入っていることもある。
それは使い方次第で火をつけることができる。

これは何を説明した文章だろうか。


ちょっと考えれば質問するまでもなく答えが出てしまう問題の一例です。
なぞなぞや、意地悪クイズの本から問題を作ることはお勧め出来ません。
ちなみにこの問題の答えは「レンズ」です。


以上で条件を一通り説明した訳ですが、出題慣れしている方はともかく
初心者の方がこれらの条件を全て満たすのは大変なことと思われます。
そこで、まずは@の「不思議」、Aの「別解が思いつかない」、Bの「嘘が含まれない」。
この3つを満たす問題文を作ってみましょう。そうすれば問題としての形は整います。
それに慣れたら簡潔にしてみたり、問題文だけでは答えが出せないようにして
よりウミガメらしく仕上げていくことをお勧めします。
また、Dの「写実的」に至ってはほぼ私の個人的な好みによるものです。
あまり気を使う必要も無いでしょう。

戻る