その他のポイント



ここでは問題文を作る上でのちょっとしたポイントや
覚えておいて損の無い(?)テクニックなどをご紹介します。


@固有名詞を出さない。
東京や埼玉といった地名を出したり、登場人物に名前をつけることは
できるだけ避けましょう。これは地名や名前がヒントになっているのかと
思われるのを防ぐためです。登場人物はできるだけ
「男」「女」「少年」「青年」「中年」「老人」といった性別や年代、
あるいは「友人」「上司」「妻」「父親」「娘」「兄」「妹」といった肩書きなどで
表すようにしましょう。また、性別や年代の同じ人物が複数登場する場合は
男A、男Bのように記号で区別するのも手です。

A数字を出さない。
「4日後」「32人」「300万円」のように具体的な数字を出すのもやめましょう。
これも回答者に「この数字でないと成立しないのだろうか」と思われるのを
ふせぐためです。それぞれ「数日後」「数十人」「大金」というように曖昧にしましょう。
問題文は具体的に書くのが望ましいですが、数字に関しては別です。

B死なせてみる。
問題文中の人物が怪我をしたり、後悔や絶望した場合には思い切って
死なせたり、自殺させてみましょう。「怪我をした」より「死んだ」の方が
回答者に与えるインパクトが大きくなりますし、後悔や絶望といった
目に見えない感情より「自殺」という行動の方が写実的だからです。
ただし、どう考えても死にそうにない原因で人を死なせたり、死ぬには
軽すぎる理由で自殺させるのはやめましょう。また、ただ死なせるだけでなく
「失明した」「腕を失った」等の「人体欠損」も回答者に大きなインパクトを与えることでしょう。
人体欠損はその欠損部位によっては解答する上でのヒントとしても使えます

C嘘は登場人物につかせる。
「問題文には嘘が含まれていないことが暗黙の了解である」ということは
すでに説明した通りです。しかし、登場人物のセリフの中に含まれる嘘は問題ありません。
どうしても嘘をつかなくてはならない、という場合には適当な登場人物に
嘘をつかせましょう。そうすれば、問題文そのものが嘘をついているというルール違反には
なりません。また、そのセリフはカッコ書きである必要はありません。
「男が言うには……とのこと」というように伝聞系にするだけで充分でしょう。

D一人称より三人称。
問題文に限らず、文章は一人称文と三人称文に大別されます。
一人称文とは、主語が「私」「僕」等の自分を示す言葉である文章で、
三人称文とはそれ以外の「男」「彼女」等の自分以外が主語になっている文章のことです。
どちらの文体が問題文に向いているのでしょうか。私は「三人称が望ましい」と
考えます。なぜならば一人称文には多少なりとも主観が混じり、客観的な写実性を
損なう場合があるからです。その点、三人称文は問題文の状況全てを客観視している文体ですので
写実性は高いと言えるでしょう。問題文をより写実的にするならば、
一人称文より三人称文で書くことをお勧めします。

E時間経過は短く。
例えば誰かが失恋したとしましょう。その数時間後にその人が自殺すれば
おそらく知人は「あいつは失恋が原因で自殺したのだろう」と考えるでしょう。
しかし自殺したのが失恋から3年後だったら、原因は他にあると考えるはずです。
このように原因と結果は多くの場合、時間経過とともにその関係が弱まるのが普通です。
ですので「展開が不思議」である問題を作る際にはなるべく時間経過を短くしましょう。
数ヶ月後より数日後、数日後より数時間後、数時間後より数秒後の方が
「不思議な展開」=「関係無さそうに思われる複数の事象」の因果関係が強まるのです。
ただしもちろん、翌日では無理がある、どうしても1ヶ月はかかる、という理由がある場合は別です。

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